インフルエンザ患者が出ています。月初めの忙しいレセプト期間ですが
医事課の職員にもインフルエンザで休まなければならない人が出てしまい、
私は休職中の身ですが、候補者活動をお休みして急遽1日現場復帰しました。
みなさんもお気をつけください。手洗い、うがいをお忘れなく。
さて昨日に引き続き、国民健康保険のお話です。
昨日の志位委員長の質問がアップされましたので、ぜひご覧ください
質問内容
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-02-03/2011020303_01_0.html
動画
http://www.jcp.or.jp/movie/11mov/20110203/index.html
この中で志位委員長は、国保の負担の高さと、「収納率強化」の名のもとで
行われている明らかに度が過ぎた「取立て」の実態を告発しています。
なぜこれほどまでに、国民健康保険の保険料が上がるのか?
言うまでもなく、国保の財政が苦しくなっているからですが、
ではなぜ、国保の財政が苦しくなっているのでしょうか?
少し、お考えください。
まず、考えられることは高齢化の進展で医療費支出が増えているから、
ということになるでしょう。協会けんぽや共済などは一定規模以上の
企業に勤める人とその扶養家族が対象ですから、年金生活の高齢者で
国民健康保険に加入する人の数は、健康保険加入者よりもよりもずっと
多くなるはずです。
介護保険制度や後期高齢者医療制度が作られた理由の一つがここにあります。
どちらも大変問題の多い制度ですが、高齢者の医療や介護を市町村の
国民健康保険から切り離し、市町村の国保財政を助けるという大義名分に
なっていました。
しかし、そうして高齢者の「切り離し」を行ったならば、国保の財政は好転し
保険料も上がらないはずなのに、なぜこんな負担になっているのか?
経済の低迷で、国保加入者の自営業や農家の人の生活が苦しくなり、また
失業者や非正規労働者の人たちが多く国保に入ってきたため、被保険者の
保険料負担能力が低下した、つまり保険料収入が減った、ということも
理由としてあるでしょう。
しかし、一番大きな理由は、国が国民健康保険会計に対して出すお金が
大きく減ったことにあります。
国民健康保険の「土台」ともいえる国庫負担が小さくなってしまったことが
国保財政を不安定にしているのです。
志位委員長は、「1984年の国庫負担率50%が、現在約24%に下がった」という
数字を出しています。実はこの1984年は下がり始めた時の数字で、
1970年代は60%以上を支出していた時もありました。

△志位委員長が示した内容のグラフです。
この50%とか24%は総額の数字なのですが、もう少し細かく見ていくと、
一番大きな「療養給付費への国庫負担」は、1984年に大きく減っています。
それまでは、「医療費総額の45%」を国が出していたのが、
「医療給付費の50%」を国が出すことになりました。
数字は大きくなっていますが、「医療給付費」とは患者の一部負担(3割)を
除いた金額のことであり、実際は「医療費総額の35%」に低下しています。
なにやら「朝三暮四」ということわざを思い出します。
また、国保を運営するための事務経費については、当初は全額国の補助が
行われていましたが、それも1992年に廃止されます。
補助は廃止されましたが、そのぶん地方交付税交付金に加算されている、と
国は言うかもしれません。しかし、国庫「補助」とことなり、地方交付税交付金
は、市町村が自由に使えるお金であり、その中で、この規模の街の国保に対しては
基準としてこれくらいの金額、という額を計算されるだけで、使い道は指定されず、
すべて国保に回される保障はありません。
またその額も、「実際に必要となった額」に対してではなく、
「これくらい必要だろう」という「基準」を出して交付されるもの
なので、その「基準」が実際に必要な額に対して十分である保障はありません。
こうした国庫負担が減った分を、市町村会計や住民の保険料でまかなわなければ
ならなくなっていることが、収入に対して保険料の高騰をまねいている理由です。
そして、国はさらに市町村が独自に繰り入れを行って保険料を下げることを
「望ましくない」と圧力をかけてきています。国は「禁止したつもりではない」
といいますが、厚生労働省からの通達は市町村にとってはとんでもない圧力です。
志位委員長は通達の撤回を申し入れましたが、確たる返答はありませんでした。
志位委員長の質問で出されたケースのように、健康を守るべく存在する
国民健康保険の制度が、高すぎる保険料、払えない保険料で、
困っている人をさらに追い詰め、家計や健康を損なうものとなっています。
私は、医療者のはしくれとして大変憤りを感じます。
人間らしい暮らしの一番基本である健康が、お金のあるなしで損なわれて
良いはずがありません。ましてや、社会保障の制度が、困っている人を
さらに苦しめているような現状を許すことができません。
政治の役割が、今こそ必要です。私はその先頭に立って戦いたいと思います。
国に政策転換を迫るとともに、今困っている人に対して、くらしの最前線の
市町村行政がどういった態度を取るかが問われています。
国の方針に唯々諾々となるか、住民の立場から国にものをいい、
独自に暮らしを守ろうとするか。
私はもちろん、後者の大和高田市を目指します。
市政を、県政を変えるのは、4月の選挙です。