2011年03月16日

国民健康保険の請願、不採択

参考:当ブログ内国民健康保険問題まとめ
国民健康保険料の引き下げを
国保料が高くなった理由は?
国民健康保険制度のあゆみ
国保の改善、保険料の引き下げをめぐって
国民健康保険から国民健康保障に
国保の署名活動始めます!
【速報】国保請願が委員会否決!



本日、大和高田市議会が閉会しました。

昨日お伝えしたように、私達が取り組んだ国民健康保険税
引き下げの請願署名は本会議否決されました。

本会議での賛否は

賛成 6名 (共産党2人、公明党3人、無所属1人)
退席 1名 (無所属1人)
反対 8名 (すべて無所属)


(欠員2、議長は採決に加わらず)

という結果でした。

請願に対する反対討論が2人の議員からあったようです。
反対論の要旨は
@国民健康保険税の一般財源による引き下げを行うことは、
 健康保険に加入している住民との間で不公平になる。
A市の財政が苦しい中で、支出を増やして将来にツケを
 まわすわけにはいかない。
B現在、市の国保財政への繰り入れ率は向上してきている。
C国から「一般財政からの繰り入れはしないように」と指導されている。

というものでした。
委員会での採決時にも書きましたが、改めて反論したいと思います。

@については、国民健康保険制度と健康保険、共済との根本的な
違いがあります。互助を基本とした健康保険や共済に対して、
国民健康保険は社会保障であり、保険料負担能力を持たない人をも
抱える制度です。誤解を恐れずに言えば、「保険」でありながら
同時に「福祉」の要素を持っている制度です。
「福祉」においては、利用者の負担は生存権、社会権などの保障という
制度の趣旨からみて適切な水準でなければなりません
し、そのために
一般財源から支出が行われても不公平にはなりません。
現状の高すぎる負担が、医療を受ける権利の保障という点で
趣旨に合っていると考えるのでしょうか。3割もの人が
払えず滞納し、医療を満足に受けられない増えて生命の危険に
さらされていることをどう考えるのでしょうか。
現状が市民から国や行政への不信を自ら高めているのではないで
しょうか。
「しかし、市だけでそれを抱えるのはあまりにも過大だ。制度の趣旨が
違うといっても、市民の間からは『不公平感』が生まれるだろう」

いう意見もあるかと思います。確かにそれはそうです。
だからこそ、私達の請願でも国の責任を追及し、市が国に対して
声を上げることを求めています。

A、Bについては、国保会計も市の一般会計もどちらも市の財政です。
一般会計は黒字になっても、国保の赤字構造を是正しなければ、
市民の「借金」は増えていきます。特別会計の埋蔵金ならぬ隠れ借金です。
いずれはそれを市民の税金で清算しなければなりません。
ならば、健全な形で今から取り掛かるべきです。
基準内繰り入れを100%にし、基準外繰り入れを行って、累積赤字を
段階的に解消し、同時に保険料の負担の見直し、特に低所得者の負担を
引き下げて保険料納付率の向上をはかることが必要です。(納付率は
国からのお金の支出額にも影響します)

Cについては、国の指導そのものに大きな問題がありますが、実は
市民団体からの申し入れに対して、「一律に繰り入れを禁止する趣旨の
ものではない」
と厚生労働省が回答しています。
県内でも、近畿圏でみても高い大和高田市の国保の引き下げは
他自治体住民との公平性という点から見ても何ら問題のあるものでは
ありません

しかし、今回の議論で前向きなこともあります。
反対討論に立った議員の方からも、「大和高田の国保は高い」という
言葉が出ていました。国保の高さは共通認識になってきています。
また、基準内繰り入れを100%すべきという点については、
反論が出ていません。基準内繰り入れの必要性も理解が広がっている
と思います。そして、こうした請願が2票差まで差をつめたことが
何よりの前進です。共産党議員が紹介者の請願は「選挙目当ての
共産党の点数稼ぎにすぎない」と一蹴されてしまうこともしばしば
なのですが、そうした党派攻撃的な議論はなく、他党派も含めて
賛同が広がったことが大きな成果です。

今日は稲葉市議が一般質問で国保の問題を再度取り上げました。
市長・理事者側がどのような答弁をしたのか確認したいと思います。
posted by 向川まさひで at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 国民健康保険 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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