2012年01月08日

成人式

カレンダーでは成人式は1月9日ですが、
大和高田市では1月8日に成人式が行われました。

例年、平和委員会や民医連などが、会場前で署名のお願いを行っています。
私も太田県議、豆田3区予定候補、沢田議員とともにお祝いとご挨拶を
行いました。

120108 成人式宣伝3.jpg
120108 成人の日 署名.jpg

華やかな着物姿の新成人が何人も署名に協力してくれました。
成人式自体も、特段に「荒れる」ということはなく、和やかに終了しました。
私たちは式典後退出しましたが、おそらく新成人の皆さんは
式の後も存分に同級生と旧交を温めたと思います。

私も13年前になりますが、自分の成人式の時は市の広報誌の企画で、同級生とともに
市長・助役と対談し、ずいぶんと生意気なことを言ったのを覚えています。
その時はこんな仕事をするなんて思いもしませんでしたが・・・。
さて、ちょっと悩んでしまったのが、成人式の来賓あいさつです。
市会議員は個々人で挨拶するのではなく、議長が代表して
挨拶する形になっています。

議長は形式ばらずに自分であいさつの内容を考え、大変わかりやすく
ためになる話をされるので、私も勉強になっているのですが、
今回の議長のあいさつの中に、あくまでも新成人を激励する文脈としてですが、
「日本・ドイツ同祖説」が出てきたのです。

うーん・・・


実はこの説は、かつて日独伊三国軍事同盟が結ばれていたころに、
日本やドイツで流布した考え方で、現在ではほぼ否定されています。
おそらく議長は、戦中から戦後間もなくの間に幼少期を過ごされているので
そのころに、この考え方に触れられたのだと思いますが・・・。

この説の、問題点は、主にドイツ側の都合なのですが、
当時のドイツ、すなわちナチスドイツが、日本と対等の同盟を結ぶに当たり、
ナチスの考え方との矛盾点が出てきたことと関連します。
ナチスは人種主義・民族主義で、「アーリア人」という古代の人種を想定し、
その人種の血を引く白人・ゲルマン人、その中でも最も純粋なドイツ人が人類で
一番優良である、であるという考え方を持っていました。

その教義では、黄色人種は白人よりも劣る人種であり、日本人もその中に
入ります。ナチスの幹部には日本に好意的なものもいましたが、ドイツ国民は
あまり親日的ではなく(第一次大戦ではドイツと日本は敵国どうしでした)
昨日の記事にあったように、ヒトラーも当初は日本人を見下していました。

そうした中で、日本と対等の同盟を結ぶに当たり、理由付けが必要となったのです。
そして、日本とドイツの文化や言語に類似点を見出し、それを根拠に
「実は研究の結果、日本人は我々と遠い祖先を同じくする『東方アーリア人』で
あることがわかった!」
としたのです。
ナチスの高官・ヒムラーなどはこの説を本気で信じていたとも言われます。

この説は日本にも伝えられ、国民の間に一定の支持を得たようです。

アジアの一等国を自認していた日本が、ドイツ人からこのように言われて、
反発するよりも好意的に受け取られたのは意外に思えるかもしれませんが、
昭和初めごろの日本では、「日本人はそもそも何者か」という議論が
活発だったといわれます。そうした議論に、すんなり入り込んだようです。

当時は「日本ドイツ同祖論」どころか、「日本・ユダヤ同祖論」、
「日本人シュメール起源論」、はては「日本人こそが世界諸民族の起源」と
いう説まで。日本人のアイデンティティが揺らいでいたのでしょう。
戦争が近づくにつれ、国が「日本書紀」などをベースにした「神国」思想を
強化したのも、この日本人の「揺らぎ」を抑え込む意図があったのかも
しれません。

そして多くの思想が弾圧される中、「日本・ドイツ同祖論」は、国として
認められることはありませんでしたが、ドイツが同盟国であったため、説そのもの
が弾圧されることは少なく、民間で支持され続けたようです。
「ドイツは遠い国だが日本人と遠い先祖が同じ、だから同盟してともに戦うのだ」
というのは、子供だましなようですが、国民に親近感を抱かせ、同盟を
円滑にする効果はあったかもしれません。

日本においても、ドイツにおいても、このように国策・戦争に使われてきたのが
「日本・ドイツ同祖論」であり、戦後は「アーリア人」という人種設定そのもの
もふくめて強い批判にさらされ、時に疑似科学と断じられるものと
なっています。

ゆえに、新成人にそういう話をすることは問題があるのでは、とも
思うのですが、教育の場ではなくあいさつとしてであり、
また民族差別的な文脈で使われたわけでもなく、
「否定された説だから」「国策で悪用された説だから」
言ってはならないというのも少し変な気がするので、
議員団として議長に抗議するほどではないかとも思います。
ただ、もし新成人の中に「日本人」でない人がいたのならば、不快に
感じるかもしれない、と気になります。

ひとます、このブログでその説について紹介し、私からの意見表明とします。
(なお、日本人はさまざまな混血を経ていることがわかってきており、
日本人とドイツ人に共通の先祖となった集団がある、という限りでは
あながち間違いではないと思います。
ただそれは「人類みな兄弟」と
いうことに限りなく近くなります)
posted by 向川まさひで at 22:11| Comment(3) | TrackBack(0) | 活動日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

エントリーに関係ないコメントで大変申し訳ないのですが、医療現場にいらっしゃる向川さんのご意見を伺いたくてお邪魔しました。

政府はこんな法案提出を考えているようです。

新型インフル特措法案、国会提出へ…官房長官
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120110-OYT1T01245.htm

藤村官房長官は10日の記者会見で、強い毒性と感染力を持つ新型インフルエンザの流行に備え、国民に外出自粛要請や集会中止を指示できるようにする特別措置法案を通常国会に提出する意向を明言した。

 藤村氏は「新型インフルエンザ対策の行動計画の実効性を高めるには立法措置が必要で、経済界や医療関係者から話を聞き、法案を準備している最中だ。できる限り通常国会に提出したい」と述べた。 

(2012年1月10日22時54分 読売新聞)

医療に素人の私ですが、これはおかしいと直感しました。
ペストのような恐ろしい伝染病が流行する兆しがあるわけでもないのに何故唐突にこんな法律を?
それにインフルエンザの感染力は強力ですから、もし外出禁止して感染を食い止めたいのなら、ほぼ全ての外出を禁止しなければ意味がありません。しかしそれでは経済活動はたちまち麻痺し、あっという間に国民の生活が立ち行かなくなりますから、そんなことは不可能です。
つまり、この法律は集会やデモを狙い撃ちにしてるのが見え見えなのではないでしょうか?





Posted by 秋原葉月 at 2012年01月11日 00:15
コメントありがとうございます。本年もよろしくお願いします。

新型インフル特別措置法ですが、この法案そのものがデモや集会を狙い撃ちにしているとは
考えにくいのですが、法律がつくられたらそのような意図で運用される危険は大いにあると
思いますので、内容をよく見ていく必要があると思います。

強毒性の新型インフルエンザ流行の可能性は、たしかにいつでも起こりうるものであり、対応策の準備は必要だと思います。
ただ、感染が広がらないように規制をすることばかりに目が向けられ、
国民一人ひとりには日々の生活があり、そう簡単に止められるものではないということを理解しているのか、その点に強く不安を感じます。

数日仕事を休めばたちどころに行きづまる自営業者の方は多くいますし、
インフルエンザで仕事を休み、それで収入が減っても何の保証もないどころか雇用を失う恐れがある人も多いです。
前回の新型インフルエンザ流行時には、仕事を休めないからと熱があっても無理して出勤していたパート勤務の人や、
保育園が閉鎖され、子どもを預けるところがなく幼児に1人で留守番させなければならない人も出ていました。

こうした個々の暮らしに目を向けたものにならないのではないかと危惧しています。

国は規制をしたから、役目は果たしている。
後のことはどうなろうと自己責任だ、生活がかかっていても規制を破ったその人が悪い、

・・・そういう風に使われる恐れが高いと思います。
感染者やその家族の医療や生活をどう保障するのか、そのためのルールこそが必要と思います。
Posted by 向川まさひで at 2012年01月11日 14:26
レスをいただきありがとうございました。

>国は規制をしたから、役目は果たしている。
後のことはどうなろうと自己責任だ、生活がかかっていても規制を破ったその人が悪い、

・・・そういう風に使われる恐れが高いと思います。

そうですね、直接的な治安立法目的というより第一義的にはそちらでしょう。
私も、安易に外出規制なんかされたら迷惑を被る人が大勢出てくるだろうに国はどうするつもりなんだろうと思っていました。外出自粛を自分の意思でしなかったのだから何の補償もしませんよ、と言う具合に国の免罪符には使われたくないですね。

それにしても感染予防にほとんど全く役に立たない立法ですし、秘密保全法が出されようとしている時期柄、ついつい治安立法として流用する意図があるのでは、と疑ってしまいます。
Posted by 秋原葉月 at 2012年01月12日 21:00
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