2012年02月02日

ちょっと待った!介護保険の「地域区分」

今年の4月から、介護保険の「地域区分」が大きく変わります。

「地域区分」というのは、介護保険の介護報酬は公定価格なのですが、
日本国内で地域によって物価が違い、地価、最低賃金水準もちがいます。

そのため、同じ介護事業でも運営コストに地域差が出てしまうため、
物価が高い地域は介護報酬の単位に加算を行うことで調整をするものです。
医療保険や生活保護の給付基準にも、同じような調整がされています。

医療保険や生活保護などの場合、国家公務員の地域手当の基準を
準用するかたちで、7段階の区分が設定されていました。
介護保険はこれまで、それとは別の5段階区分を設定し、
より限られた地域にのみ加算を行う形になっていました。
しかし、それが実態に合わないという意見があり、2012年度からは
医療保険などと同じルールで7段階区分とすることになりました。

医療保険の場合、大和高田市は「5級地」となっています。
それであれば、介護保険も同じように5級地となるはずです。

しかし、介護報酬改定で告示されたものには、香芝市など周辺の
市町村がすべて「6級地」となる中、大和高田市と御所市のみ「その他地域」
つまり加算ゼロの地域となっていました。

厚生労働省資料から地域区分見直しのルールを調べて、それに即して考えると、
まず、大和高田市と御所市は現状「その他地域」から「5級地」となり、2段階アップです。
しかし、2段階以上変化する地域は激変緩和措置を行うルールとなっており、また
周辺市町村との調整も計られることとなっています。
それであれば、激変緩和、周辺との調整を考量して、「6級地」への1段階アップが妥当です。

なぜ、大和高田市と御所市だけが「その他地域」なのか。
確認したところ、市町村へのヒアリングが行われたときに「介護保険財政が苦しい」
という意見を出しており、それが考慮されたものらしいということです。

たしかに、両市の介護保険財政は苦しいです。地域区分で加算がつけば介護保険財政の
支出は増えますし、利用者さんの自己負担分や保険料の上昇にもつながります。
しかし、客観的な物価等の調整であるはずの「地域区分」で支出を抑えるのは
筋違いではないかと思います。


大和高田市内の介護保険事業所は、同じ仕事を行っても、周辺他市の事業所より報酬が
低く抑えられることになり、経営を圧迫します。
全国一律の報酬切り下げならばまだしも、大和高田・御所だけという
状況では、その2市の事業所の減少や、サービスの切り下げにつながるのでは
ないでしょうか。
「市民の介護保険事業への需要は高まっているのに、こんなことをすれば
大和高田で事業を行おうとする事業者さんが引いてしまうのではないですか」

私は担当の方に厳しめに申し上げました。
老人保健施設などは、そうそう移転もできません。
そこで働く人たちの待遇にもかかわってきます。

また、介護保険には学校や保育所のように自分の住む自治体のサービスを
利用しなければならない決まりはありませんので
大和高田市在住の人が橿原や香芝の事業所を利用した場合には
3%の加算がされる一方、橿原の人が大和高田の事業所を利用すれば
加算ゼロになり、介護事業所の収入は減り、支払いも少し少なくて済みます。
大和高田の事業所を利用したいという利用者さんが、あるいは
増えるかもしれませんが、これも制度の趣旨からいえばおかしな話です。

介護事業者さんの意見を集め、国や県に働きかける方法を考えたいです。
posted by 向川まさひで at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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