2016年07月09日

日本共産党と自衛隊、安全保障

今回の選挙では、安保法制の問題を訴えて野党共闘で挑む中、日本共産党が
自衛隊と安全保障をどうするかが問われています。
それを受けて、日本共産党は法定2号ビラおよび赤旗号外を作成しました。

日本共産党の参院選法定2号ビラ
自衛隊どうする? 疑問にお答えします
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-01/2016070103_02_0.html

今回の選挙における論点とそれに関する党の見解はこの通りなのですが、将来的な展望の部分で
少し補足したいと思います。

・自衛権・自衛隊をどう考えるか
 日本共産党は「日本国憲法は国民と独立を守る最小限の自衛権までは否定していないが、米国軍事戦略の影響下にある自衛隊の成り立ちはそこからの逸脱を含んでいる。また憲法の理念はあくまでも軍事を必要としない国であり、日本政府の外交安全保障はこの追求を基本姿勢とすべきである」という立場です。
 わりと誤解されていますが、共産党は「非武装中立」や「無抵抗主義」の立場ではありません。独立を守り、国民を守る自衛権は当然だが、政府や軍事組織が恣意的にそれを運用してはならない、「国民のため」を口実に自衛力を拡大し自国民や他国への威圧・抑圧に用いてはならないというものです。

・「自衛隊の解消」はどうすすめるか
 そのうえで自衛隊の扱いは
 @まず憲法を大きく逸脱する安保法制の廃止、変容しているPKOなどの海外派遣の見直し、それに伴う防衛費の見直しで、軍縮に転じる。
 A並行して「北東アジア平和協力構想」など、仮想敵国を持たない地域的安全保障、紛争抑止の枠組みを整備していく。

 A思いやり予算の廃止、地位協定見直しから、日米安保条約を平和友好条約に改め、当面は非軍事同盟と武装中立の立場を取り各国と協調する
 こうした課題を一つ一つクリアし、軍事の必要性を減らしていったうえで、
 C将来において、国内の合意の上で他国と歩調を合わせて自衛隊を解消する、というものです。その場合でも、国家が残る限りは、治安・警備機構(警察や海上保安庁など)が領海侵犯などに対して行使する自衛権は残ることになると思います。

 遠大な目標であり、おそらく私たちが生きているうちにすべてを実現することは難しいと思います。いずれの段階においても、共産党が政権を取ったら行う、というものではありません。今の政府が強行しているような、議会の多数をたのんでの国民への押し付けは行いません。国民の多数の合意を形成し段階的かつ慎重に実現していきます。
 なくし方については、長い先の話なので将来の国内、国際情勢よって変わりますが、たとえば超国家的な国際機関を設立して委ねるとか、治安警備組織(米国沿岸警備隊など準軍事組織とみなされるものもありますが)へ改組するなどの方法があります。そこまで今の時代では言及できません。
(なお、前者の場合、その時代で憲法を含む大きな論議となる可能性もあります。まったくSFの世界ですが、「常備世界平和維持軍」とか「環太平洋共同軍」とか、各国の個別的自衛権を停止または超越して行動する組織ができたとき、日本が参加するかどうか)

・藤野議員の発言について
 藤野議員の「人を殺す予算」発言は、共産党の立場と大きく外れた発言であり、すでに政策委員長を辞任するという決定も行っています。
 これについて、「軍隊は人殺しが本質だから間違っていない」という意見をおっしゃる方もおられます。しかし、安保法制の議論を通じ、少なくない自衛隊員やその家族が共産党に期待を向けておられます。
 また護憲の立場で行動を共にしている元自衛官もおられます。そういう人々の思いを想像すべきです。敬意や礼節を忘れれば、独善的極左に堕するものです。

 「軍隊」の組織的・本質的問題点と、「軍人」個々人の生き方は峻別して考えるべきです。人のための任務を全うせんと働いている人を、働き方や志、ふるまいではなくその職業の本質論でのみ見て、貶すようなことは、悪しき穢れ思想であり差別とさえいえます。
 もちろん藤野議員の発言に、現場の自衛官を「人殺し」と非難したり差別するような意図はなかったでしょう。しかし、「殺す」立場に立つことになるのは誰か、ということへの認識が欠けていました。
 「人を殺す『予算』」といっても、「殺す」の主語はやはり自衛官になってしまいます。「予算」が誰かを殺すわけではないのです。
 もし安保法制が発動され警備や治安維持などの名目で紛争とかかわることになれば、「殺す」という思い任務を背負わされるのは現場の自衛官です。私たちはそこに寄り添い、安保法制に反対していたはずです。

 藤野発言の本旨は予算に向けられたものですが、「殺す」という悪い意味合いを含んだ動詞を用いたことで、自衛官をおとしめているかのような印象を与えてしまいました。そして、上記のような差別的意識を持っているかのような印象も与えてしまうことになりました。発言が出た背景も含めてしっかり反省することが必要です。
 私たち党員としては、有権者に対してまずお詫びをしたうえで、私たちの立場を伝えることが必要と思います。
posted by 向川まさひで at 09:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 政策・主張 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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