関西電力大飯原発の再稼働が問題となっています。
この再稼働を巡って、国がわずか3日で定めた「安全基準」の
いい加減さは、すでに報道されている通りです。
周辺の自治体からの、反対や疑問の声が上がっています。
そもそも、地震に備える「免震棟」の完成は2015年度です。
3年後に対策ができあがるから、安全対策は万全なのですぐ原発をうごかしてもよい・・・
まともな日本語ではありません。
おまけに、今の時点で行われ済みという「浸水対策」も、
扉や配管にシリコンゴムでシールを行うだけというようなものです。
とうてい、地震や津波には耐えられません。
それでも政府は原発再稼働に固執しています。
そうしなければ関西で2割の電力が不足し、大停電が起きる、
そのような理屈で、科学的ではない「政治判断」をしてでも
原発を動かそうという態度です。
確かに電力不足で停電が生じるのは困りますが、しかし、
国や関電が主張する「2割不足」という根拠については、
すでに否定的な意見が出てきています。
国・関電は、夏の電力供給能力を2500万KW前後と見積もり、
夏のピーク時の電力需要3095万Kwに対して2割不足と
みなしています。
ですが、電力ピーク時というのは夏の間を通しても10時間〜20時間程度の
ことであり、ここに重点を絞った節電を行えば十分な対応はできます。
また、電力ピーク時の需要3095万kwというのも、震災前で猛暑だった
2010年の数字の引用であり、事情がことなります。
2011年もなかなかの猛暑になりましたが、ピーク時需要は2784万kwでした。さらに、ピーク時に対して大口利用者(工場など)と電力会社で結んでいる
「需給調整契約」の効果も、政府・関電の資産には入っていません。
さらにピーク時需要を押さえられる余地はあります。
それでも、2500万Kwの供給では不測の危険性があります。
しかし、供給もまた問題です。
政府と関電のデータは、揚水発電や周辺電力会社からの融通、
また自家発電などの活用で電力供給が増える選択肢が
入っていません。
民間団体である「環境エネルギー政策研究所」(ISEP)のまとめによると、
これらの電力供給をある程度活用すれば、去年とほぼ同じ
2900万kw台の電力供給ができます。
端的に言えば、政府・関電の発表は、
「需要を多く見積もり、供給を少なく見積もったものである」ということです。
将来的なことを考えても、太陽光発電や火力発電の稼働・整備、
また、エコ製品の普及による電力需要減、需給調整契約の活用などで
将来的にも十分にまかなえ、また経費節減や将来に向けての投資・雇用の整備にも
役立つものと思います。
今や、脱原発の方向にこそ、日本経済発展のカギがあるのです。
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